投資をする上で、一番ポピュラーな投資先でもある投資信託。証券会社だけでなく銀行などでも購入できる事から、多くの人が気軽に利用している投資先でもあります。
銀行で勧められて購入したよ
初めての投資先の人も多いですよね
投資の入り口としてよく利用されている投資信託ですが、「銀行員に勧められるまま購入したので、あまりよく分かっていない」という方も多いみたいなので、投資信託のメリットやデメリット、投資信託の種類など、皆さんが実際に投資信託を購入する際に役立つ情報をお届けしようと思います。
投資信託のメリット
投資信託は非常に便利な投資商品だと思います。投資の初心者だけでなく投資中級者や投資上級者にも利用価値のある投資商品であり、私も投資信託を保有しています。
特に投資初心者にとっては心強い投資商品として有効であり、まず投資をするのであれば投資信託をお勧めします。
何に投資をしたらいいのか分からないという投資初心者の方には、まずは投資信託から始めてみましょうとお伝えしています。
では、投資信託のメリットを確認していきましょう
- 分散投資が出来る
- 少額から投資が出来る
- プロが代わりに運用をしてくれる
- 安心できる投資先である(透明性がある)
- 個人では投資が難しい国や地域に投資が出来る
分散投資が出来る
安全に投資をする上で大切な事は、分散投資をする事です。
投資でよく言われている格言の1つに「卵を一つのカゴに盛るな」というものがあります。
例えば、卵が10個あるとして全てを同じカゴ(お皿)に入れていて、そのカゴを落としてしまうと全部の卵が割れてしまいますよね。これを、5つのカゴに分けて卵を入れておけば、1つのカゴを落としたとしても残りの4つのカゴ(卵の残りは8個)は無事なので、卵を守る事が出来ますよね。
投資の世界もこれと同じで、1つの株や1つの銘柄に集中して投資をしていると、その企業が倒産などしてしまうと株式が紙くずになってしまうので投資をしていた資産を全て失ってしまう事になります。
なので、株式投資をする場合でも複数の銘柄に分散投資をした方がいいのですが、1つの企業の株を買う際には10万円ぐらい必要だったり、高い株価の銘柄だと1つの企業を買うのに数百万円必要な場合があります。こうなると、個人で投資する際に分散して投資する事が難しくなります。
投資信託の場合は、皆の資金を集めて、その資金をもとに沢山の企業に分散して投資をして、それを小口に分けて販売する事で、分散投資をする事が出来ます。
例えば、日本の株式市場の指標とされている「日経平均株価」に採用されている企業は225社もあります。日経平均株価と同じようなパフォーマンスを個人で得ようとすると、225社もの企業の株式を購入しないといけません。日経平均株価に連動する投資信託の場合は、皆で資金を出し合って、これらの企業の株を買って、皆で分け合うので、個人では無理な多くの企業への分散投資をする事も出来るようになります。
日経平均株価に採用されている225社もの数の企業に投資をしておけば、そのうちの1社が倒産したとしても、全体に与える影響は軽微なダメージで済みます。
投資信託で分散投資をする事で、比較的安全に運用をしていく事が出来るのです。
少額から投資が出来る
株式投資の場合は、トヨタやソニー、任天堂などの企業を選んで投資をする事になるのですが、日本の株式投資の場合は最低売買単位が定められており、最低100株単位での購入となっています。
株価が1株1000円だったとしたら、最低でも100株買わないといけないので10万円必要となります。
トヨタの場合は最低でも20万円、ソニーの場合は100万円、任天堂の場合は更に高くて500万円も必要となります。
こんなに高いと買えないよ
私も買えないです(^_^;)
投資信託は、誰でも気軽に購入できるように開発された金融商品であり、皆でお金を出し合って沢山の企業を買って、それを皆で分け合うというイメージを持ってもらったらいいと思います。
投資信託の種類や投資信託を販売している銀行や証券会社によって、投資信託の最低購入金額は異なるのですが、安ければ100円から購入する事が出来るので非常にお手軽に投資をする事が出来ます。
100円から投資が出来るのであれば、誰でも投資をする事が出来ますし、気軽にいつでも投資をする事が可能です。
株式投資では最低売買単位が定められており、必要な資金量が多くなってしまうのですが、投資信託の場合は100円から購入できるものも多いので、少ない金額から投資をする事が可能となっています。
プロが代わりに運用してくれる
投資をするには、自分でどこの企業に投資をするのかを決めないといけません。複数の企業に投資をしている場合は、それぞれの企業の業績や決算資料などを見ながら、今後も投資を続けていった方がいいのかなどを考えながら投資をしないといけません。
これが、なかなか手間なんですよね。10社や20社ほどの株式を保有していると、決算発表ごとにその企業の決算内容を確認しないといけないし、何か個別のニュースがあるとそれも確認しないといけないし、株価が上がったり下がったりするたびにポートフォリオ(株式の保有割合、組み合わせ方)を組み直したりする必要があります。
投資信託の場合は、プロが運用を代行してくれます。投資信託のテーマ(どこに投資をするのか、株式や債券の割合、どんな企業に投資をするのか)を決めて、そのテーマに沿った企業へとプロが投資をしてくれます。
個々の企業の決算内容や日々のニュース、経済動向などをプロが確認しながら、その投資信託の内容に沿った形でリバランス(入れ替え)しながら投資信託を日々運用してくれいます。なので、投資信託の場合は私達個人で何かを確認する必要はなく、自動的に銘柄を入れ替えてくれたり、バランスと整えてくれたりしてくれます。
安心できる投資先である(透明性がある)
投資信託は、日々の値段(基準価格)がキチンと表示されており、投資信託ごとに決算時には監査法人の監査も受けているので資産内容の透明性は高いです。
投資信託内の資金でどのようなものに投資をしているのかは月々の報告書で開示されており、ポートフォリオの内容や今までのパフォーマンス、投資信託への資金の流入・流出の量など、必要な情報は必ず開示されているので、資産運用の透明性も高いです。
販売先も、銀行や証券会社などの金融庁が監査している金融機関で販売されているので、商品としての信用性も高いです。
聞いたことのないような企業が販売している金融商品などの場合は、突然その企業が倒産して投資していた金融商品が紙くずになるという事態もあるのですが、銀行や証券会社が販売している投資信託は分別管理といって、投資信託の資金は販売会社や運用会社の資金と分けて管理する必要があるので、銀行や証券会社などが倒産しても投資信託の資金は守られます。
個人では投資が難しい国や企業に投資する事が出来る
個人で投資をする場合は、証券会社などが取り扱っている株式でないと投資する事が出来ないです。貴方が、外国株投資をしたいと思った場合でも、その証券会社が取り扱いをしている外国株でないと投資が出来ないです。
例えば、インドの企業に投資をしたいと思ってもインドの企業の株式に投資をする事が出来る証券会社は日本にはありません。(一部の企業はADRなどの米国預託証券にて投資をする事は可能です)
インドは経済成長が著しい新興国であり、人口も増えている事から今後も高い経済成長が期待できるので、投資先としては有望な国だと言われています。そんなインドに投資をしようと思っても、個人ではなかなかハードルが高くて難しいです。
このような場合でも投資信託であれば、皆の資金を集めてプロがインドの企業に投資を行ってくれるので、簡単にインドへの投資を代行する事が出来ます。
投資信託であれば、私達個人が投資をする事が出来ないような国や企業であっても、プロが代わりに運用して投資をしてくれることで投資する事が可能となっています。
投資信託のデメリット
投資信託には、少額から分散投資が出来て、プロが運用してくれるなどのメリットがありました。では、投資信託のデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
投資信託のデメリットを確認していきましょう。
- コストがかかる
- 元本割れがある
- リアルタイムな売買が出来ない
コストがかかる
投資信託は私達の代わりにプロが運用してくれるのですが、代わりに運用してくれる手数料を支払わないといけません。
それが信託報酬(運用管理費用)です。
投資信託を保有している資金量に対して、毎年一定範囲の決められた率の手数料を支払う事になります。投資信託の商品によって信託報酬の率は異なっており、安いものであれば0.1%ぐらいですが、高いものになると2%ぐらいの信託報酬を毎年支払う必要があります。
例えば、Aという信託報酬が0.1%の投資信託を300万円購入したとすれば、信託報酬が0.1%なので毎年3000円の手数料を支払う事になります。Bという信託報酬が2%の投資信託を300万円購入した場合は、信託報酬が2%の場合なので毎年6万円の手数料を支払う事になります。
この信託報酬は、儲かっている時だけでなく、損をしている時であっても、毎年決められた率の信託報酬を支払う必要があるので、自分で運用する場合と比べると手数料を支払う必要がある分だけコストが掛かるという事になります。
元本割れがある
投資信託は元本が保証されている金融商品ではないので、プロに運用を任せているといっても元本が保証されているわけではなく、運用次第では元本を大きく下回る事もあります。
近年では、銀行などで気軽に投資信託の購入を勧められる事ががあり、銀行が取り扱う商品だからという変な安心感を持つ事によって元本が割れる可能性があるという事をあまり認識せずに銀行員に勧められるままに購入する人も増えているようですが、投資信託は元本割れの可能性がある商品です。
分散投資が出来て、プロに運用してもらっているから大丈夫だと勘違いしている人もおられるのですが、投資信託の中身(運用している投資先)が株式などの変動があるものであれば、株式相場の状況や経済状況などによって大きな損失を出す事もあります。
もちろん、運用次第では大きく資産が増える事もあり、近年の低金利時においては銀行口座にお金を置いているだけでは全く増えないので、投資信託などでリスクを取りながら増やす事を狙う事は長期的な資産形成を考えていく上においては、良い事であるのですが、元本割れのリスクをしっかりと認識して購入する事が必要です。
リアルタイムな売買が出来ない
株式投資では、株の取引をする際には取引をした瞬間の株価で売買が出来ます。つまりはリアルタイムに売買が成立しており、取引をしたその場の株価で売買をする事になります。
なので、株式投資の場合は1日の取引においても株価が常に変動しており、同じ日に取引をしても安い株価で購入できたり、高い株価で購入する事になったりと、1日の取引の中でも株価の変動があります。
しかし、投資信託の場合は株式取引のように取引所でリアルタイムに売買しているわけではなく、みんなの注文を取り纏めて、翌日に基準価格(株の株価のようなもの)が決められる事になり、誰が購入しても同じ日に購入した投資信託は同じ価格になります。
投資信託はリアルタイムで取引しているわけではないので、今の価格で買いたい(売りたい)と思っても、注文は通るけど価格は翌日にならないと分からないので、株式投資などと比べるとワンテンポ遅れた感じになります。
自分で株式投資をする場合は株価に合わせて機動的に取引できるのですが、投資信託の場合は受け身的な投資となります。
まとめ
このように投資信託には、メリットもあればデメリットもあります。
全てにおいて万能な投資などはなく、どんな投資をしてもメリットとデメリットが存在します。
その中で、投資信託はデメリットも当然ながらあるのですが、それを上回るメリットがあるので、金融商品としては比較的扱いやすい商品です。
特に少額から分散投資が出来るという事は非常に大きなメリットとなります。
株式投資で数百の企業に分散して投資をしようと思えば、数千万円から数億ぐらいの資金量が必要となります。これを個人で用意するのは一般庶民には至難の業です。
それを私達でも少額から分散して投資が出来るように商品設計されている投資信託は、我々一般庶民には優しい金融商品となります。
私達の代わりに、プロが運用してくれるので難しい決算書を読んだり、企業分析・経済分析をしなくても、手軽に運用する事ができて、分散投資が出来る投資信託はお勧めの金融商品のうちの1つです。
これらのメリットを受ける事が出来る代償として、信託報酬という手数料が毎年必要となりますが、自分で運用する手間暇を代行してくれることを考えれば妥当な必要経費だと思います。
このように投資信託は、少額で分散投資が出来るという優れた金融商品ですので、何に投資をしたらいいのか迷う時は、まずは投資信託から始めてみたらいいです。
次回の記事では、どんな投資信託がお勧めなのか? 投資信託を購入する時はどんな事に気を付ければいいのかをお伝えしていこうと思います。
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